確かにそこに、君は居た
◇◆◇◆◇◆◇
今日も、俺の朝はチョコレート戦争で始まる。
「凪ぃぃぃ!!てめっ2枚はずりぃぞコラァ!!」
「へへーん早い者勝ちだよー」
凪は朝から板チョコを2枚も食っていた。
・・・太らないのが不思議だ。
「それよりお兄ちゃん、学校行かなくていいの?」
凪に言われて、時計を見てみる。
・・・チッ・・・くそっもうこんな時間か。
「てめー帰ってきたら覚えてろよ凪!!行ってきます!!」
「いってらっしゃーい」
俺は玄関を飛び出した。
◇◆◇◆◇◆◇
「ひーギリギリセーフ・・・」
俺は全速力で校門に入った。
息を整えながら身支度も整える。
そして下駄箱から上履きを取り出し、下履きと履き替えた。
「いよーっすキィちゃん。君も寝坊かーい?」
後ろから声がする。
振り返るとそこには学年一お調子者の『轟 飛沫』がいた。
「シブキ・・・『キィちゃん』はやめろって言ってるだろ。」
「堅苦しいこと言わない言わなーい♪」
・・・ったく・・・。
コイツは黙ってれば格好いいのに・・・。
天然でサラサラな茶髪。
前髪は明るい色のゴムでくくっている。
背が高くて顔もイケてる。
・・・なのにこの性格が・・・
「あ、キィちゃんキィちゃん、HR始まっちゃう!!」
シブキはそう言うと走っていった。
「だからキィちゃんはやめろって言ってるだろー!!!」
俺の声は虚しくこだましていった。