確かにそこに、君は居た
―――・・・ピチャン・・・ピチャン・・・

どこかの水道から漏れる水の音が建物内にこだまする。
俺は恐怖感を覚えて、ブルッと身震いした。

『ったく・・・どうしてこんなとこに入っちまったんだよぉ~俺ぇ~~』
半分涙目になりながら俺は俺に訴えかける。
・・・だけど何故か俺の足は歩みを止めない。
どんどんどんどん前へ前へと進んでゆく。
・・・・何かに導かれるように。


    ◇◆◇◆◇



俺が立ち止まった所は、灰色のドアの前だった。
俺は操られたようにドアノブに手を伸ばし、ゆっくりとひねる。
するとドアは『カチャリ』という音を立ててゆっくりと開いた。

―――・・・その中には・・・・・・





「・・・・・・・・・・・・誰??」
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