恋愛レベル

あたしの視線の先には、先生と話してる先輩の姿。


「おい大地、シャツ」

「えー!別にいいっしょ?!」

「良くないから言ってんだろ」

「あーハイハイ。」

「最初からちゃんと入れとけ」

「分かってるし!」



大澤大地先輩、高校三年生。

あたしの好きな人。



「…日向?」

「…」

「ひーなーたー」

「…あ、ごめん」

向こうに歩いていく先輩に、つい見とれてしまった。

って、挨拶!先輩に挨拶!

挨拶したいっ!けどもう距離が!

振り向け!振り向け!振り向け!!

なんて念じていると、想いが届いたのか先輩が振り向いた。

あ、挨拶っ!

精一杯勇気を振り絞ったが、あたしには先輩に頭を下げる事しかできなかった。

ドキドキしながら顔を上げると、先輩がこっちに向かって手を振ってくれた。

その時の笑顔があたしには眩しくって。

やばいやばいやばいやばい!!!

好き。やっぱ好き。


< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop