あたしと君とソレ。
丁寧に巻き上げた長く色素の薄い綺麗な髪を揺らし、あたしの世話を焼く花桜梨は、
学内で美女トップ3に入る容姿の持ち主だ。
大きな瞳に幅広い二重瞼、通った鼻筋にふっくらとした唇、細く長い指の先には綺麗に手入れ
された爪、均等のとれたスタイルに長く色素の薄い綺麗な髪。
ましてや、それがあたしの親友であり初めての友達なんだから。
「フフ…花桜梨ってお母さんみたい」
「なによそれ、褒めてるの? 貶してるの…ってコラ! 言ってるそばからまた身体を伏せるなっ!」
だからそんな花桜梨のお説教じみた話だって嫌いじゃない。
だってなんかさ、愛を感じるんだよね!
薄ら笑みを浮かべるあたしに花桜梨は厄介そうな顔で、こちらを見やると何笑ってんの、と顔を顰めた。
「いやいや、友人とは良いものですな」
「本当に思ってんの?」
「もちろん!」
そう言って笑顔を彼女に向ければ小さく息を吐いて呆れたような、でも嬉しそうな表情であたしの頭を軽く小突く。