あたしと君とソレ。
***
「高野さん」
突然背後から名前を呼ばれ振り向くと、そこにはキチンと制服を着こなした見るからに優等生姿の青年が立っていた。
「あ、柴君おはよう」
「おはよう」
あたしが挨拶を返すと彼は小さな笑みを浮かべ挨拶を返してくれる。
「おいこら柴、あたしには挨拶なしかい」
「……花桜梨か、おはよう」
「“か”って何?“か”って!」
「花桜梨は朝からうるさ過ぎ。高野さん見習ってよ」
ねっ、と柴君に同意を求められ、あははとなんとも曖昧な笑みを返すと花桜梨は頬を膨らまし拗ねたようにそっぽを向いた。