あたしと君とソレ。
「いーよいーよもう」
唇を尖らせて拗ねた素振りを見せる花緒里は、
とても可愛らしかった。
身体を反転させ背を向ける花桜梨の姿は、さっきとは打って変わって幼い子供のようで。
「ねぇ花桜梨拗ねないでー花桜梨はうるさいくらいがちょうどいいよ!」
「…なにそれフォローしてんの?」
「そのつもり」
あたしの答えに、花緒里は尖らせていた唇をわずかに緩めた、が…
「高野さん優しいね」
隣からヒョコッと顔を出した柴くんが薄ら笑みを浮かべて、
あたし、ではなく花緒里に向けて感心したように言葉を発したのが事の発端。
「柴うるさい、黙って、どっかいって!!」
あたしのフォローも結局、柴君の追加の一言で無駄になったわけで
さっそく隣で暴言の吐き合いが始まった。