あたしと君とソレ。
「あたし知ってるんだからね!
柴が昔家に出たゴキブリにビビッてちびって半泣きしたことー!!」
「そういう花緒里こそ今日朝、家の階段踏み外して転んでたくせに。あ、足の傷大丈夫?」
「あ、あ…っ、んた!なんでそれをっ?!」
「普通一段目から落ちないよね、高野さん」
「あ、あはは……」
日常茶飯事ともいえる、二人の口論は柴君が時々あたしを巻き込みながら今日もお見事と言わんばかしのクオリティーさ。
そんな二人の喧嘩なんだかよく分からない言い争いを見るのは好きだ。
花緒里は柴君との仲を腐れ縁とか言ってたけど、友達が今までいなかったあたしにとっては、
花緒里と柴君の関係が羨ましかった。
「なんっで知ってんのよ!このストーカーっ!!」
「俺にも選ぶ権利ってものがあるよ」
二人の小競り合いは今日も勃発。