あたしと君とソレ。
苦手意識2
「…終わった?」
背中を丸める花桜梨に制服のポケットからチロルチョコを取り出して目の前に置いた。
「ありがと、まじ柴うざい」
げんなりとする花桜梨とは裏腹に、涼しい顔をして
それじゃ高野さんまた後でね、とあたしに一言残して自分の席へと戻っていった柴君は口論の勝者だ。
「負けたね」
「柴に口で勝つのは至難の業よ」
机にダランと身体を預けて、あたしがあげたチロルチョコを口の中へと放り込むと盛大なタメ息を吐いた。