あたしと君とソレ。


声の主を確認するべく、恐る恐る振り返ってみると、



「…おじいちゃん?」

「久しぶりだなぁ、いちこ。元気にしていたか?」



紛れもない、あたしのおじいちゃんがそこには立っていた。



目尻を下げ優しく微笑むおじいちゃんは腰をかがめてあたしの頭の上にポンと手をのせた。

そしてその手がゆっくりと頭を撫でた時、自分に与えられた優しさやその手にジンと温かいものを感じると同時に、目頭が熱くなった。



「……っ」



しかし、あたしは慌てて顔を地面へと落とし。



「…う、ん」



ぎこちなく頷いた。



「……」


「……」


「…そうか、それなら良かった。」




あたしとおじいちゃんの間に流れる数秒の沈黙にしまった、と思ったのはほんの一瞬の出来事で、頭上からは優しい音色の声が再び流れ出して、ホッと胸を撫で下ろした。


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