あたしと君とソレ。
幼いあたしには上手く誤魔化せたと思っていた。

安心するあたしを他所に、おじいちゃんは何を考えたのか、
突然、屈んでいた身体を起こしあたしに笑顔を向けた。



「今からおじいちゃんのお店に遊び来るかい?」


「え」



おじいちゃんは小さく首を傾げ、あたしの手を握った。



「……」


…帰りたくない。

…帰りたく、ない。



「うん」



家への拒絶から、自然と言葉が口から零れ落ちた。
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