勘違い片想い
主役は遅れてやって来る
みんな少し緊張しているのか、それほど賑やかではない教室。
本を読んでたり、携帯をいじってたり、
隣同士で喋ってたり……。
私の中学からは、ここを受けた人は私しかいない。
友達のいないこの高校で、唯一知っているあの人も……同姓同名ってオチなのか、
クラス表に名前はあったのに見当たらない。
「出席番号だと……あの席なのに」
そのお目当ての人物が座るであろう席に目をやると、いかにも……
なんと言うか女好きそうな、そんな見た目の男の子がダルそうに頬杖をついていた。
「アレでは……ないわな」