マイスタイル
私はついに言ってしまった。

「関係って、もしかして、付き合ってるってコト?」

「違うの‥‥?」

違うんだろうか。でも、告白してくれたんだし、そうなんだとばかり‥‥。


「なんでおまえが訊くの?」

なんで?

だって、

「おれが訊きたいよ。おまえから一言も返事がねーんだから」



返事?

返事って、なに。

わたし、言って‥‥

「これだから恥ずかしがり屋は」

なんて仂は呆れてしまっている。

「ごめん」

「何が」

「言い忘れてた」

「うん。さすがに気持ちはわからんでもないが、はっきりさせたい」

「うん‥‥」

つまり、私に言えというのだ。そんなの、無理。

私が言いあぐねていると、仂は机に戻ってしまった。

「ま、言えるときでいいけどな」

「寝ないの?」

「おれな、おばさんに言われてんの。祥子は、体は大人でも立場は子供だから、間違ってもやるなって」

「な、な、」

「というわけで、頼むからほっといて。おれ誘惑に弱いから」

「う、う、」

うそだ‥‥。だって、そんなの、

私はさっき抱きしめられたことを思い出し、顔がほてってくるのを感じた。

布団に潜るけど、気になって寝られない。

やっぱり来るんじゃなかった。



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