君と俺
「…幼稚園!?」
「分かってんなら話せよ(笑)」
「…分かったから、笑うな。」
そう言いながらデコピンする俺。
でこをさすりながら涙目になってる颯汰。
(ガキだな)
そんな事を思いながら、朝の出来事を一通り話し終えると、
「運命の出会いだったりして(笑)」
笑いながら、こんな事を言うこいつは、やっぱり馬鹿だ。
「んなわけねえだろ。誰があんな女なんか…」
「ずっと、その子の事考えてたりして(笑)」
あまりのしつこさに俺は鞄を持って教室を出た。
(屋上行って気分晴らすか。)
階段を登り屋上の扉に手を掛けた時
屋上から女の叫び声が聞こえた。
「だから、しつこいって言ってるでしょ!」
(はあ…めんどくせえな。帰るか。)
俺は今来た道を引き返して家に帰った。
2階に上がって鞄を放り投げ、ベッドに寝転んだ。
天井をぼーっと見ていると
ふと今朝の出来事が脳裏によぎった。
何故か今朝の出来事が頭から離れない。
あの女の顔が頭から離れない。
(ん?何で俺があの女の事考えてんだ?
俺には関係ない。)
そんな事を考えていると、いつの間にか眠りについていた。
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