おまえは/ずっと/俺の中に
 「お前、俺らから見てもフツ~にカッコいいぞ?」

5時間目が終わり、生徒が掃除に動く中、

龍希が喋りながらやってきた。

 「だーかーらー、何が言いたいん?」
 
 「彼女作れって。絶対誰だってOKするぜ!」

するわけないじゃないか、こんな性格なのに。

そう言いそうになったが、類が先に喋り始めた。

 「なぁ、類、お前去年、松永茉亜希に告られただろう?」

 「あぁ。だから、何?」

確かに告られた。その前にも、祭りに誘われたり、

宿泊学習では、ペアの物を買ったり、

彼女から、そう感じさせられることがあった。

 「今、松永のこと好き?」

 「は?なんでそれを今聞く。」

去年告られた時は、振ってしまった。

部活のほうが大切だったから。

 「あいつ、類のこと好きっぽさそう!」

 「は~?ないない。つーかあいつ付き合ってんじゃん。」

確かに松永茉亜希は、この学校1番と言っていいほどの美女だ。

でも俺のことが好きなんて、あり得ない。

 「とっくに別れたらしーぜ。告っちゃいなよ~!」

 「おまえ~。」

類の言葉は、簡単には頭から離れなかった。

松永茉亜希。

彼女が俺を変えてくれるなんて、

この世界のまだ誰もわからなかった。
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