cocoa 上
その後、私と桃は一言も話さず帰った。
携帯画面には、桃からのメール。
【二人だけの秘密だからね】
その二文字の言葉。約束、何を約束したの?優愛らは。
明日からこうちゃんにどんな顔をしてればいいの?
そう考えていたけど、本当なのかも分からないのに
そんな事思ってちゃだめだな、そう思った。
普段通り。それでいいんだ。何も意識しなくてもいい。
違うかもしれないんだから。
家に着くと、お風呂が沸かしてあったから先にお風呂に入った。
湯に尽きながら、ふとこうちゃんを考えた。
こうちゃんは、桃に何て言ったんだろう。
桃が泣いてたんだから、何か酷いこと言ったんだな!
急に苛立つ私。よし!
お風呂からでて、着替えると早速こうちゃんに電話。
「もしもし?」
寝ぼけてるこうちゃん。私は電話越しで叫ぶ。
「ベランダに出てこい!」
電話を切る私。こうちゃんと私の家は隣同士。
ベランダを出ればこうちゃんの部屋の窓がある。
「何だよ~?優愛~」
あくびをしながら、顔を出すこうちゃん。
私はベランダに出てこうちゃんの胸ぐらを掴んだ。
「桃になんて言ったの!?」
その言葉に反応するこうちゃん。
「何でもねーよ、おめぇに関係ね事だよ。」
そっぽを向くこうちゃん。私は力を入れる。
「こうちゃ~ん?」
ゴゴゴゴゴゴッ 私の背後には怒りが込められていた。
「わわわわ!落ち着け、優愛!!」
ばっと離れるこうちゃん。そして、窓を閉められた。
「何してんの!開けなさい!こうちゃん!」
叫ぶ私から逃げるこうちゃん。
しばらく叫んでも出てこないこうちゃん。
一か八かだ!私は水晶玉を窓に向かって投げた。
パリーーーン!窓ガラスが割れる。
ベッドで寝転んでびっくりしているこうちゃん。
私はすぐさま、窓に侵入した。
「ふふふふ。こうちゃん、逃がさないよ!」
「まじかよ!」
青ざめるこうちゃんに飛びかかろうとしたその時。