cocoa 上
海斗
柳原優愛はあいつの好きな奴。
俺は女になんて
一切興味がなかった。
あいつに出会う前までは。
柳原と出会ったのは
光汰が熱がでてる奴が
いるからと無理やり俺を連れて行った。
付き添いなら構わないと
思ったんだ。
別に俺に関係ないと思ったからだ。
「お邪魔しまーす。」
光汰と一緒に家の中へ入る。
頭を下げて、相手側のお母さんに
挨拶をする俺。
「優愛の友達?わざわざお見舞いありがとね。ささっ!上がってって」
光汰がさっさと階段を登って
置いてかれた俺を見て
相手側のお母さんは言ってきた。
一礼し、階段を登って
突き当たりの部屋に入ると
光汰と寝ている女がいた。
光汰の優しい表情。
あいつの好きな奴か。
すると、下から光汰を呼ぶ声。
「…優愛を頼む!」
そう言われて取り残される俺。
気まずい。
まぁいいか。
これがあいつと俺の出逢いだった。