キミがスキだ
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「紗羅はわかりやすずきっ」


「ゆっこわざとはぐらかしてたでしょ」


「まーねっ。でっ?」


「せっかく朝なると偶然会えたのに

腕時計のせいで一緒に来れなかった」


なるは紗羅とはあまリ

外を歩きたがらない。


だから今日の朝みたいなことは

すごくすごくすごく貴重なのに


「やっぱ一緒に行こーって言えば?」


「そ、そんなこと言えないよ」


「だって毎日一緒に学校来れるんだよ?」


「なるは、わたしのことなんて


「嫌いだもんって言うんでしょ」


「正解!」


「愛生くんのこと好きなんだったら
勇気だすことも必要だよ」


「うん…。」


でも、ただでさえ嫌われてるのに

変なことしたら口も聞いてくれなく

なっちゃうかもしれない


それが怖くて紗羅は何もできない



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