空を見上げ
*
僕は いつものように 空を見上げていた
青い色と すこしだけ 白が混じっている
「ねぇ、ユウ」
「なに?」
「わたしのこと…………」
「ミユのこと……?」
「いえ、なんでもないわ」
「そう……」
日も暮れ すこしだけ 星がきらりと
またたきはじめている
”いま、なにしているのかな”
僕は そう つぶやいていた
そのとき 冷たい風が 僕の
体の中を そっと とおりぬけた
(了)