どうしても君がいい。
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「亜美、昨日の蓮くんどうだった?」
翌日、登校するなり話し掛けて来たのは友達の三森 早苗(ミモリ サナエ)。
席に着くなり、亜美の前の席の椅子に座ってきた。
真ん丸な目を輝かせて、亜美の返事を待つ。
早苗は蓮のファンらしい。
彼氏にしたいとかではなく、鑑賞用だとか。
そんな彼女なのだから、亜美が蓮の家庭教師をしていると知った時のリアクションは凄かった。
そして、必ず木曜日の朝。
蓮の話を聞いてくる。
「そんな毎週毎週、面白い事なんてないよ」
……早苗には、蓮に告白をされた事は言えていない。
早苗には二つ年上の彼氏が居るし、蓮に対して恋愛感情はないと話す。
あくまでも、身近にいるアイドルだと言う。
それでも、亜美は言えずにいた。
アイドルに平凡な自分が告白され、更にキスまでされた。
まるで、少女マンガの世界だ。
信じてくれるだろうか。
相談に乗ってくれるだろうか。
何度か話そうとした。
しかし、その度に自分の気持ちの整理がつかずに今に至る。
「……そう?何かクマ出来てるけど」
亜美の顔を覗き込み、明らかに態度のおかしい様子に指摘する。