どうしても君がいい。

夕食もほとんど喉を通らなかった。

母親と父親はそんな亜美を心配したが、適当に返事をして自分の部屋に戻る。
パタン、とドアを閉める音が響いた。

ベッドの上に置きっぱなしになっていた携帯に、着信のライトが点滅しているのに気づく。

ベッドにそのまま腰掛け、携帯を開くと一件のメールを受信していた。

「珍しい…真一からだ」

クラスでは話す方の男子だが、学校以外で遊んだ事はなく。

メアドもつい最近交換したばかりだ。

『話したい事あるから、電話していい?』

絵文字もなく、なんて簡素な内容だろう。
文面から真一そのままを想像出来てしまい、笑ってしまった。
『いいよ。どうしたの?』

亜美も絵文字はあまり多用しない方で、笑顔の絵文字を最後に一つだけ使った。

五分もしないうちに、真一から着信。




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