どうしても君がいい。
溜息をつきながらも、自分の住む部屋のマンションに着く。
しかし、帰宅はまだしない。
自分の住む階の更に上の階のエレベーターのボタンを押した。
亜美が今から向かうのは、母親の知り合いのお宅。
その息子の家庭教師をする為だ。
エレベーターから降りて、その家の前に着く。
制服を正して、インターホンを押す。
これからの時間が憂鬱だ。
毎週水曜日。
一時間。
相手は中学三年。
一つ年下の、その息子さん。
家庭教師を始めて二ヶ月が経つ。
一日も休んだ事はないのは、亜美が根が真面目だからという事。
親同士が仲が良く、無下に断れないからだ。
また今日も、振り回される。
考えただけで、また溜息が出た。