どうしても君がいい。
『家庭教師?織田、そんな事してんの?』

「二ヶ月位前から。親同士が知り合いでね」

何だか、真一の声のトーンが低くなった気がする。

『ふーん…。亜美ちゃん知らないって聞きまくってたからさ、ちょっと変な奴かと思って』

亜美は、知りたくなかった事実に顔が引き攣る。

「へ、変な子じゃないよ。人見知りしない子みたいで…」

何で自分が蓮のフォローをしなければならいのか。
真一に探られたくなくて、緊張から携帯を持つ手に汗をかき始めていた。


『何か、妙に大人びた奴みたいだったから。織田に何かしてんじゃないかって、ちょっと心配した』

「……っ」

鋭い指摘に思わず、言葉に詰まってしまった。
早苗といい、真一といい。
そんなに自分は分かりやすいのだろうか。

『……織田?』

「や、だなぁ…。変な心配しないでよ…。」

明らかに動揺している。
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