どうしても君がいい。

「か、からかわないでっ!」


本気なのか、冗談なのか。
亜美は分からず、振り回されていた。

「俺、亜美ちゃんが好き。すっげぇ好き。亜美ちゃんとまたキスしたい」

「――…ッ!?」

意味が分からない。
蓮の気持ちが読めない。

頭の回転は良い方だったが、蓮の前だと回路がショートしたように、何も考えられなくなる。

これが、好きだという感情から来るものなのか。
亜美には恋愛経験がなく、直ぐさま判断出来るものではなかった。

「…いつも、そうしてるの?」

慣れたように見えた。
蓮の容姿なら、既に彼女の数人位は経験がありそうだ。

捻り出した答えに、亜美は自分でも情けないと思った。
真っ直ぐに、蓮に向き合うのが怖い。

「そう見える?」

また、あの低めの声。
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