どうしても君がいい。
その日の夜。
眠れずにいた。
ベッドに入り、瞼を閉じるものの睡魔がやって来ないのだ。
結局、はっきりとした答えを出せずに今週の一時間を終えてしまった。
「何してんだろ」
眠れない理由は明らかで。
瞼を閉じると、真っ直ぐに自分を見つめる蓮の顔が蘇る。
特に、親しく付き合いがあった訳でもない。
私の何を知って、好きだと言うのだろう。
亜美は言ってみれば平凡。普通の女子高生だ。
肩まである髪は染める事なく、真っ直ぐで。
身長は低い方。スタイルもごく普通。
何か、突出した特技がある訳でもない。
気づくと、また自分と蓮を比べてしまう。
蓮は、私のどこがいいんだろう。
亜美は記憶を辿るが、もちろん答えは出なかった。
好きって、何で言えるんだろ。
どうして、私なんだろう。
ぐるぐると、頭の中を疑問が飛び交う。
「ダメだ…寝れない。何でアイツの為に寝不足にならなきゃなんないの」