狼と赤ずきんちゃん
タイトル未編集
私はお婆ちゃんの家に向かっている。
お婆ちゃんは病気で今は寝たきりなの。
お婆ちゃんは自分では動くこともできないので、介護士さんを頼んで身の回りのことを全てやってもらっている。
それほど病気が重いから、体にさわるからってあまり会えなかった。
だけと今日は体調もいいみたいで、お母さんにお婆ちゃんに会ってもいいという許しをもらった。
私は大好きなお婆ちゃんに会えるのが嬉しくて、お母さんが作ってくれたお見舞いのパンケーキを篭に入れてすぐに家をでた。
久しぶりにお婆ちゃんに会う。
もう1週間ぶり。
早く会いたいな。
今歩いている林を抜けるとお婆ちゃんの家がある。
何回も通っているので迷うこともなかった。
ひゅっと強い風が吹いて、頭に被っていた赤い頭巾が脱げてしまった。私は慌てて被り直す。
まだ元気だった頃にお婆ちゃんに貰った大切なものなの。
お婆ちゃんに会うときはいつも被って行っている。
「ねえ、赤ずきんちゃん」
赤ずきんちゃんという声が、自分に向けられているものだとすぐには気づかなかった。
だからすぐには振り向けず、少し間が空いた。
振り向いた先には、1人の男がいた。
灰色の髪に金の瞳。
頭とお尻からは髪と同色の耳と小尾が生えていた。
一目で狼だと分かった。
お母さんに狼には気をつけなさいと言われていた。他の人も狼は人を食べるために平気で嘘をつくと言っている。
あんまり関わっちゃいけないと思って、私は無視して歩き出した。
「無視すんなよ」
私の腕を狼が後ろから掴んで引いた。
私は勢いでたたらを踏んで転けそうになった。
「おっと、大丈夫か?」
狼が私の体を支えてくれたため、転けずにすんだ。
だが、後ろから狼が私を抱き締める形になってしまった。しかも狼の手が私の胸に置いてある状態だった。
「なっなっ何してんのよ」
私は慌てて狼を突き飛ばした。
「いってーな。たまたまだろ。お前がチビだから手を置く位置がそこになってしまっただけじゃないか」
何こいつ。
普通謝るんじゃないの?
悪びれた態度もなくて最低。
やっぱりみんなの言う通り、狼は悪いやつなんだ。
お婆ちゃんは病気で今は寝たきりなの。
お婆ちゃんは自分では動くこともできないので、介護士さんを頼んで身の回りのことを全てやってもらっている。
それほど病気が重いから、体にさわるからってあまり会えなかった。
だけと今日は体調もいいみたいで、お母さんにお婆ちゃんに会ってもいいという許しをもらった。
私は大好きなお婆ちゃんに会えるのが嬉しくて、お母さんが作ってくれたお見舞いのパンケーキを篭に入れてすぐに家をでた。
久しぶりにお婆ちゃんに会う。
もう1週間ぶり。
早く会いたいな。
今歩いている林を抜けるとお婆ちゃんの家がある。
何回も通っているので迷うこともなかった。
ひゅっと強い風が吹いて、頭に被っていた赤い頭巾が脱げてしまった。私は慌てて被り直す。
まだ元気だった頃にお婆ちゃんに貰った大切なものなの。
お婆ちゃんに会うときはいつも被って行っている。
「ねえ、赤ずきんちゃん」
赤ずきんちゃんという声が、自分に向けられているものだとすぐには気づかなかった。
だからすぐには振り向けず、少し間が空いた。
振り向いた先には、1人の男がいた。
灰色の髪に金の瞳。
頭とお尻からは髪と同色の耳と小尾が生えていた。
一目で狼だと分かった。
お母さんに狼には気をつけなさいと言われていた。他の人も狼は人を食べるために平気で嘘をつくと言っている。
あんまり関わっちゃいけないと思って、私は無視して歩き出した。
「無視すんなよ」
私の腕を狼が後ろから掴んで引いた。
私は勢いでたたらを踏んで転けそうになった。
「おっと、大丈夫か?」
狼が私の体を支えてくれたため、転けずにすんだ。
だが、後ろから狼が私を抱き締める形になってしまった。しかも狼の手が私の胸に置いてある状態だった。
「なっなっ何してんのよ」
私は慌てて狼を突き飛ばした。
「いってーな。たまたまだろ。お前がチビだから手を置く位置がそこになってしまっただけじゃないか」
何こいつ。
普通謝るんじゃないの?
悪びれた態度もなくて最低。
やっぱりみんなの言う通り、狼は悪いやつなんだ。