もっと早く逢えていれば良かった


起きたらそこはあたしの部屋だった。

昴はあたしの手を握って寝ていた。


寝顔、可愛いな。
男の人はそんな事思われたく無いと思うかもしれないけど。



今何時だろうと体を起こそうとすると吐き気が襲ってきた。
すぐに近くにあったゴミ箱を手に取る。



「ゲホッゲホッ……ゲホッゴホッ!」




なるべく昴を起こさないように静かに吐き出す。


するとまた血を吐いてしまった。
布団が真っ赤な血に染まる。





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