もっと早く逢えていれば良かった
「綾乃!?」


急に昴が起き上がる。
でも、それどころじゃなかった。
吐き気が止まらない。



「綾乃、落ち着いて深呼吸して」


背中を擦ってくれる。
昴に言われた通りにする。


何とか落ち着いてきた。



「ハァハァ……」


「大丈夫か?まだ吐きそう?」


「大丈夫……」


「顔色悪いし、もう病院戻るか」



話すのが辛くて首を縦に振ることしか出来ない。



「車椅子、乗れるか?」



「……」



また首を縦に振る。



< 110 / 220 >

この作品をシェア

pagetop