もっと早く逢えていれば良かった
チャイムが鳴って授業が終わる。
すると、女子たちが一斉に昴のところにやって来た。


「どこからの帰国子女~?」とか「カッコイイね!!」とか。
「あの問題、大学の問題だよ?」とか聞こえた。


そんなのあたしに解けるわけないじゃん!って意地になるあたし。




何を聞かれても昴は黙っている。
答えようとしない。
そして、



「ごめん俺、用事あるから」



と、あたしの腕を引っ張って教室を出る。



「え~なんで~?」「もっと話そうよ~」という声が聞こえてくる。




ついでに女子のあたしを睨む視線が痛い。





< 32 / 220 >

この作品をシェア

pagetop