もっと早く逢えていれば良かった
「綾乃、退院、しよっか?」


「……え?」



徐々に声を出せるようになってきた。



「退院、しよ?病院から通う事になるけど」


「それって、もう…長くないから?」



昴の肩がビクッとなる。



「……そう。もう長くないよ」


「そっか……」


「この前は嘘ついた。ごめん」


「何の?」


「手術すれば治るって言った。あの時はもう、遅かったんだ」








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