首を吊った彼は、干からびたヘチマでした


こちらまでその彼の嘆きに引きずり込まれそうになるが、やはり私はいつものように彼の訴えを聞き届けていた。


「どうして読まれない……!俺の方が文章力だって、ストーリーだって深いのに、どうしてそちらばかり読まれるんだ……。

なぜ認めてくれない、なぜ評価されない。俺の努力はなんでこんなにも……無意味なんだ……っ」


本当に、彼は何を期待して叫ぶんだろうか。


叫んだところで彼の努力が報われるはずも、ましてや作家として生きていく夢も叶うわけではないのに。


慰めを期待しているのだとしても、他人が慰めたところで何になる。現実を変えてくれない人独りの言葉で、君の何かは変わるというのか。


慰めることで、より惨めを実感するだろうに。


< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop