首を吊った彼は、干からびたヘチマでした
だから私は何も言わなかった。
慰めも擁護も肯定も、あの彼にしたところで何の価値もない。――存在価値を無くしている彼にとって。
「夢を諦めずに努力し続けるのは罪なのかっ、そんなに愚かしいことなのかっ。他人から認められない努力など無価値も同然で、結果が出ない頑張りなど無意味なのかっ。
俺が……俺がしてきた今まではなんだ?何のために努力してきた、いつになったら実るんだ……。いったいどうして、俺はただ……」
あの日夢見たことを叶えたかっただけなのに――
咽び泣く彼から零れた声に水分はなく、干からびていた。
限界なのだろう。
一日中籠り、ひたすらに書き続けたせいだ。見るからにズタボロな、世辞にも人間とは言い難い。