首を吊った彼は、干からびたヘチマでした
そんな悲惨たる彼でも、私は手を伸ばさずに黙って見ているだけだった。
彼との間にアクリル版でもあったか、見えない壁で線引きをし、私は彼と一定の距離を保ち続けていた。
「この世にとっての価値ってなんだよ。俺の人生って、“下らない”って吐き捨てられるほどに、現実は厳しいのかよ。
今までの苦痛はなんだ、身を削ってまで、欲求もなくしてまで、限られた時を努力に捧げた俺は、いつまで苦悩すればいいんだ……?
苦しいんだよ。夢を叶えるために何かしてきたのに、何かしてきたからこそ余計に無駄だ。だって、俺はずっと苦しいままなんだから……」