少年と僕と少女たち

日記

7月15日

今日から日記を書こうと思う。
文章力に乏しい僕だが、他人が読むわけではないので書こうと思う。
今日、僕のクラスに転校生が来た。
これが日記を書こうと思った動機だ。
詳しく書くと、クラスでの存在は無いに等しい僕だがこれは僕自身の生まれ持った暗い性格のせいなのでしょうがなく、正直諦めている。
最近は存在を消すことに徹しているため転入生が来るという事を他人が教えてくれるわけもなく先生の紹介があるまで僕は知らなかった。
先生の紹介で教室に恥ずかしげに入ってきた小柄な少年に僕は目を奪われた。
高校に入学してはや1年と半年程たつがほぼ言葉を発していない僕が少年を見た瞬間「あっ」という声を漏らしたためクラスの皆からの視線が刺さっていたがそんなことも気にならない程に少年の美しさに目を奪われてしまった。
少年の立っている所の背景が透けて見えそうなほど病的に白く抜ける肌に光を失い黒くぽっかりと穴が開いたような少し垂れた瞳、そしてツンッと小さく顔の中心に位置する鼻の下には薄く色を持たない唇が緊張からかふるふると小さく震えていたことを鮮明に記憶している。この綺麗かつどこか幼さを残した顔をすっぽりと覆う髪の色は瞳と同じで漆黒に塗られていて前髪は極端に長く伸ばされ顔が半分隠されているのがもったいないと僕は思う。
少年に僕は恋愛感情とは違うもっと特別な感情を感じたような気がしている。
この気持ちは僕自身にもまだわからない。
この少年と接触できたことは大きい収穫だろう。



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