Purewhite Devil
『己の欲望の為に、何の罪もない人間の少女を犠牲にするおつもりですか?』

『神が彼女をお選びになったんだよ――彼女はその運命の元にこの世界に生を受けたんだ』

『そう思えば心が楽でしょうね。ですが神は別に誰でも良かったのですよ。あの日たまたま傍に居たのが彼女の魂だっただけの事です』



窓から風が吹き込み、カーテンがずっと揺れている。


オレンジの明かりの中、沈黙が続いた。


男は伏し目がちに何ものっていないテーブルを見詰めている。


ラグエルはそんな静かな空間に痺れを切らして口を開いた。



『実のところ、先日彼女と少しお話を致しました』

『ッッ!?』



男は顔を上げ目を見開き驚いている。



『彼女は貴方がたを止めてほしいと私に仰っておりました』

『あの子の体の中で核が目覚めてるのか!?』

『目覚めていると言っても本の僅かです』





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