Purewhite Devil
うんともすんとも言ってくれない泉堂君の顔を見るのが怖くて、私は瞑った目を中々開けられなかった。


でもずっとこのままでいるのも気まずい。


私は鼻で空気を吸い込み、口から息を吐いた。


ゆっくり目を開けると、泉堂君とバチっと目が合ってしまった。


ヤバい――。


何か喋んなきゃ――何かっ!!


そんな事を考えていると私のお腹から情けない音が漏れた。


私は恥ずかしさのあまり、その恥ずかしさを誤魔化すかように口が勝手に喋っていた。



「こ、ここでお昼ご飯食べてもいいかな!?」



泉堂君の一人の時間を邪魔した上に私ってば何言っちゃってんの!?


今ここで気を失ってしまえたらどれだけ楽だろうか――。



『好きにすれば』

「――えっ!?」

『別に俺の部屋じゃねぇし、俺の許可なんていらねぇだろ』



思いもよらない言葉に私はその場に立ち尽くした。


今の私は相当間抜け面かもしれない。


泉堂君はまた鍵盤に目線を戻し、ピアノを弾き始めた。






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