Purewhite Devil
『あの時のあの男の顔は傑作だったよ。ルシファー様にも見せてあげたかったなぁ』



愛くるしい顔で笑う男の子。


この子は何を言ってるの?


ルシファーって?



「貴方いったい――」

『あぁ、僕はヴォラクだよっ。宜しくねっ』



ヴォラク――。


彼の背中から白い羽が広がり、光輝く輪が頭上に浮かび上がってきた。



「天使――な、の?」

『違うよ。僕はれっきとした悪魔だよっ』

「あ、くま?だって――」



ヴォラク君は私の目線を辿る様に、自分の体を見渡した。



『んー何でこんな姿なのかは僕にもよく分かんないんだよねぇ』



本当に悪魔なの?


こんなに愛くるしい姿をした男の子が?


悪魔ってもっと歪で醜いのかと思ってた――。


と言うか、こんな話を直ぐに信じてしまう私はどうかしてるのかもしれない。


だけどこの短期間の内に色々あったし、今目の前にいる男の子はこの不思議な話を信じさせるだけの容姿を持ち合わせていた。





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