Purewhite Devil
ヴォラク君の顔を見てゾクッとした。


冷やかな笑みを浮かべていたから。



『いつの間に天使と接触したの?』

「――天使?」

『あいつらは僕ら悪魔の事を闇の住人だって呼ぶんだ。まるで陰湿でくだらない輩だとでも言うように見下してね――あいつらこそ所詮は神の忠実な犬でしかないくせに』



じゃあ暗闇で会った彼女は天使なの?


ヴォラク君に彼女との事を知られてはいけないと、私の直感が囁いている。


悪魔だと聞いて別に怖いとは思わなかった。


でも今は違う。


目の前にいるこの子が怖くて堪らない。


ヴォラク君の小さな手が頬に触れ、私の体は一気に強張った。



『脅えなくていいんだよ。君を傷付けるつもりはないから――ルシファー様のご命令がない限りは、ね』



自分の身に何が起こっているのか――起ころうとしているのか、色んな話を聞いても一つの線にする事ができないでいた。


ヴォラク君が片手を空に向かって掲げると、突然突風が吹き私は目をギュッと瞑った。


今度は何なの!?





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