Purewhite Devil
背後に気配を感じ振り向き、私は目を見開いた。


きょ、きょきょ恐竜ッッ!?


口をパクパクさせていると、無邪気な笑い声が聞こえてきた。



『大丈夫だよ。僕の命令がない限りこいつらは君に危害を加えたりしないからっ』



――こいつら?


恐る恐る視線を泳がせると、恐竜の頭は二つに別れていた。


何これッッ!!


よく見ると翼も生えている。


恐竜じゃなくてこれって竜ッッ!?


ヴォラク君は竜の背中に飛び乗ると、出会った時と同じ愛くるしい笑みを見せた。



『乃愛、僕が必要になったらいつでも呼んでっ。君の為に誰とも契約せずに待ってるからさっ』



竜が飛び立つ時に、またしても凄まじい突風に襲われ顔を伏せた。


風が収まり顔を上げた時には、既にヴォラク君と竜の姿はどこにもなかった。


最近は何が現実で何が夢なのか分からない。


私――本当にどうしたらいいの――――。


腰が抜けてしまった私は、暫くその場を動く事ができなかった。







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