Purewhite Devil
私の寂しいという想いを埋めてくれる望先輩。


私は彼の甘い蜜を吸いすぎた。


その蜜を自ら手放す勇気がない。



「ねぇねぇ、夏休みプール行こうよっ!!徹と伊集院先輩も誘ってさっ」

「そうだね。望先輩に都合のいい日聞いとくよ」



私たち同様、まだ暑い陽射しの中に出たくない人たちで賑わっている教室。


その教室の雰囲気が変なざわつきに変わった。


何事かと思い教室を見渡すと、ドアのところに薫君が立っていた。


何で?


あぁ――そっか――。


須藤さんを迎えに来たんだ。


当の須藤さんは席に座って携帯を扱っている。


二人が一緒にいるところを見たくなくて、私はそっぽを向くように窓の外へ視線を向けた。



「いなくなったら教えてくれない?」

「分かった」



外に向けた視線を外さないままお願いすると、事情を知ってる優樹菜は普通に返事を返してくれた。




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