Purewhite Devil
どれだけ私の心をかき乱せば気が済むの?


心と理性がぶつかり合っている。


理性が大声で叫んでる。


乃愛には望先輩がいるんだよ!!って――。



『乃愛』



そんな儚げな顔で見ないで――。


誘うように私の頬に触れないで――。



『泣き虫乃愛――言えよ、早く言っちまえよ』

「かお、るッッ君――」



駄目――。


これ以上先は言っちゃ駄目。


早く離れないといけないのに、理性よりも心が勝り始めているのか、体は動こうとしない。



「ッッ好、き――」

『足りない』



意地悪な顔。


だけどそんな顔も好き――。



「薫君の事がッッ大好き――ッッ」



いつもの澄ました笑みじゃなく、可愛い笑みを浮かべる薫君。


心から愛しいと思った。


薫君の温もりに包み込まれ、幸せのあまり心臓が止まってしまいそうだった。


細身だけど、私なんかに比べればがっちりしていて、男を感じさせた。






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