Purewhite Devil
このままじゃ駄目。


望先輩と話をしよう。


どんな反応をされようと、しっかり自分の気持ちを素直に伝えよう。



「薫君」

『ん?』

「今度は私が迎えにいくから――そしたら、その時は話を聞いてくれる?」



薫君は私の髪を触りながら呟いた。



『その時がきたら聞いてやるよ』

「知らないふりしないでね」

『――それは乃愛の方だろ』

「それどういう意味よ」



クスクス笑う彼の肩が揺れ動く度、私の体も一緒になって揺れ動いた。



「好き――」

『俺も』

「ちゃんと言葉にしてくれなきゃ分かんない」

『乃愛のくせに調子にのんな』



薫君は苦しいくらい力強く私を抱きしめ、耳元で小さくもはっきりとした声で囁いた。



『俺が好きなのはお前だけだ。乃愛だけが俺の特別』



嬉しさのあまり、緩んでしまった顔を隠すように薫君の胸に顔を埋めた。


目を閉じると全身で薫君を感じられた。


薫君の心音が響くたびに、不安を一つ一つ取り除いてくれる様だった。






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