Purewhite Devil
『大声を出さないと約束するなら、声が出る様にしてあげよう』



彼から目を離さないまま私は頷いた。


すると彼はうっすらと笑みを浮かべた。


その瞬間、喉にフワッとした感覚がした。



「あっ――」

『綺麗な声をしているな』



綺麗な声――そんな風に言われたの初めて。


私はなんて答えていいのか分からなかった。



「あ、の――貴方は――」

『失礼、私はアスモデウス。君を迎えにきた』

「私を迎えに?」



透き通る様な真っ白な肌。


鎖骨辺りまで伸びた銀色の髪の毛。


瞳の色も同じく銀色。


まるでお伽の国の物語に出てきそうな王子様の様な男性。


でもきっと彼は王子様ではないだろう。


背中に翼が生えているから。


だけど天使でもないだろう。


その翼は彼の美しい容姿に似つかわしくない程、真っ黒だから。


恐らく彼は悪魔――。




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