Purewhite Devil
メールを送って十分が過ぎようとしていた。


普段なら気にならない十分という短い時間。


でもその時間は今はとても長く感じる。


優樹菜は私なんかよりももっと長い時間に感じていると思う。



「うわッッ」



優樹菜の手の中の携帯が震え始め、優樹菜の顔がパァーッと花が咲いたかの様に明るくなった。


けれど直ぐ様その顔は困惑した表情へと変わった。



「ど、どうしよっ!!電話なんだけどッッ」

「出ればいいじゃん」

「でっでも――」



私は優樹菜から携帯を奪い取り画面に触れた。


通話中の画面に切り替わったのを確認し手渡すと、優樹菜は戸惑いながらも携帯を耳に当てた。



「も、もしもし――」



優樹菜は話す前から泣いてしまいそうな顔をしている。


チラチラと私の顔を見てくる優樹菜。


私は口パクで「頑張れ」と伝え静かに席を立った。






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