Purewhite Devil
女性とすれ違う度に隣を歩く彼はチラチラ見られている。


人形みたいに整った顔してるからしょうがないか。



『通ってる学校はどんなところですか?』



どんなところ?


そんな事聞かれるとは思わなかった。


いつも通ってる学校だけど、そんな事聞かれるとちょっと困る。



「んー食堂のご飯が美味しいです。後売店のパンも」



私の言葉に彼は声を漏らして笑った。


その場の雰囲気を柔らかくするような、優しい笑い方。



『それじゃあ、まずは売店でパンを買ってみます』

「えっ?」

『来週から僕も貴女と同じ高校に通いますから。今日は下見をさせてもらいました』

「え、えぇぇぇ!?」



こんな美形の隣を歩いてる事事態驚きなのに、まさか同じ高校の転校生だったなんて――。



「ちなみに学年は――?」

『三年ですよ』

「あの、だったら私二年なので敬語は止めて下さい。なんか気まずいです」



この人学校のアイドル確実だろうな。


大変そう。







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