Purewhite Devil
『僕は伊集院 望(イジュウイン ノゾム)。宜しくね』



容姿だけじゃなくて名前も豪華。



「竜ヶ崎 乃愛です。こちらこそ宜しくお願いします」



私は歩きながら軽く頭を下げた。


ふと疑問に思った事を聞いてみた。



「学校までは駅から迷わず行けたんですか?」

『行きは車で送ってもらったんだけど、帰りは駅まで歩いてみようと思って』

「そうだったんですね。駅からの道が分からないと初日困りますもんね」

『車で送り迎えしてもらうから、道は覚えなくても問題ないかな。ただ一人で帰りたい気分だったんだ』

「――――」



ニッコリ笑う伊集院先輩に掛ける言葉が思い浮かばなかった。


車で送り迎えって――この人お坊ちゃん、なの――?


きっと私とは住む世界が違う人だ。


うん、きっとそうだ。







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