Purewhite Devil
ミカエルさんは手に持っていたカップを置くと口を開いた。



『最近天界で不穏な動きが起こっている』

「不穏な動き?」



ガブリエルは眉間に皺を寄せ、怪訝そうな表情を浮かべた。


そんな顔ですら本来の美しさは劣らない。



『神を消そうと企んでいる輩がいるようなんだ』



神を消すってーー神様を殺そうとしてるって事!?



「そんなッッ何故神を消す必要があるというの!?いったい誰がそんな事をーー」

『思い当たる原因は一つ、アダムとイヴだよ』



ガブリエルは口を開きかけたがその口を直ぐに閉じてしまった。


アダムとイヴってよく神話とかに出てくる名前の人?


最初の人間ーーだっけ?



「神の創りし人間ーー神がその人間を何よりも大切になさっている事が許せないのね」

『簡単に言えばそう言う事だろうね。だけど彼等の存在はただのきっかけでしかないのかもしれない』

「きっかけ?」

『反乱を起こすためのきっかけだよ』



ウリエルさんの持っていたカップが割れ、破片がテーブルの上に飛び散った。


怒りのせいなのか、ウリエルさんの手は拳をつくり震えている。





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