Purewhite Devil
ピリピリとした空気に包まれている。


みんなの顔だけを見ていると、ここがお花畑である事を忘れてしまいそうだ。



『反乱を起こそうとしている者たちが僕たちの知らない所で集結し始めている』

「反乱なんて起こしてはだめよーー。どうにかして止めなければーー」

『どうやって止めんだよ。まだ確たる証拠が一つもねぇんだよ』



ウリエルさんが思いっきりテーブルを叩き、肩がビクッと跳ね上がった。


ラファエル様はそんなウリエルさんを見て静かにため息を零した。



『俺たちは何があっても忘れねぇし、忘れちゃいけねぇんだ。神への忠誠心を』

『そうだな、神への忠誠心こそが我ら天使にとっては一番大切な事だな』

『だけどその神への絶対的忠誠心も薄れつつあるんだよ』



天界って平和なところなんじゃないの?


でも天使にも心があるって言ってたしーーそう言う訳にはいかないのかな?


ガブリエルは表情を曇らせお茶を一口飲んだ。



「それはーーそうかもしれないわ。けれど、だからといって反乱を起こそうと思う程簡単に薄れてしまうものでもないでしょう?」



広間はシーンと静まり返り、周りに伝染するかの様に風が止んだ。





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