Purewhite Devil
水の神殿につき、私はルシファーに抱えられたまま眠っているガブリエルの元へ向かった。


入口はボロボロになっていたけど、中は綺麗なままだ。


みんなが守ってくれたんだろう。


ルシファーが開けたドアの向こうには見覚えのある階段があった。



「あの上にガブリエルが眠ってる」



ルシファーは何も言わずに階段をゆっくりと登っていく。


階段を登る度に体が揺れる。


その揺れが心地よかった。


もうすぐで本当に終わる。


そう思うと、自然と口元が綻んだ。


ベールを潜るとガブリエルが眠っていた。


ルシファーが体を浮かせ、私はガブリエルの手に握られた花の実をもぎ取った。


ここまでいろんな事があった。


苦しくてくじけそうな時もあった。


それでも頑張れたのは薫君の存在があったから。


それから、ここで出会ったみんなのおかげ。


私は眠るガブリエルの手をそっと握った。



「ありがとうーー」



そして私は赤い実を口に入れ、飲み込んだ。





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