Purewhite Devil

再構築

乃愛は赤い実を飲み込むと、ルシファーの腕の中で目を瞑ったまま動かなくなった。


ルシファーは乃愛の異変に気付き何度も乃愛の体を揺するが、乃愛は反応しない。



『一体どうなっている』

「ノアの魂は今、消えようとしているわ」



驚きに目を見開いたルシファーの視線の先には、身を起こしたガブリエルの姿があった。


静かで透き通る様な声。


ガブリエルは腕を伸ばし、そっと乃愛のほほに触れた。



「とても勇敢で、心の美しい子」

『説明しろ』

「ノアの魂は限界にきていたの。私の核を持って貴方の所へ行く時間が残されていなかった。そんな時にリリスが悪魔を引き連れて天界へやってきたーー」

『それなら契約は破ーー』

「いいえ、契約は続行よ」



ガブリエルはルシファーの言葉を遮り、ハッキリと強くそう伝えた。


ルシファーの目を真っ直ぐ捉えて。



『正気か?この女と俺の契約内容を忘れたとは言わせない』

「勿論覚えているわ。泉堂 薫と私の核の交換、でしょう?」

『あぁ、そうだ』

「私の核をあげるわ。器もついてきてしまうけど、問題ないでしょう?」



ガブリエルの言葉にルシファーは動揺の色を見せた。





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