Purewhite Devil
ガブリエルはルシファーの胸に頬をくっつけ微笑んだ。



「貴方の手で、私を楽にして頂戴。貴方の気持ち、凄く嬉しかったわ」

『聞いてたのか?』

「あの時私はノアの中にいたもの。だから全部聞いちゃったわ。貴方の貴重な心の中を」



ルシファーはため息を漏らすとギュッとガブリエルを抱きしめた。


ガブリエルの感触を思い出す様に力を込めて。



『んっーー』



抱き合う二人の後ろで微かに声がした。


二人が振り返ると、目を覚まし、ボーッと天井をみつめている泉堂 薫の姿があった。



『まさかこんな早く目を覚ますとはな』



ルシファーの声に反応する様に、ゆっくりと二人の方へ顔を向ける泉堂 薫。


泉堂 薫はルシファーを見ると、思い出したかの様に目を見開いた。



『何でお前がここに!?ここ、何処だよーー』



顔を歪ませながら立ち上がった泉堂 薫は、周りを見渡しながら驚愕した。


そして一人困惑していた。



『なぁ、マジでここ何処だよ!?俺、死んだんじゃないのかよーー?』

「ここは天界よ」

『天界?天国って事?俺は死んで天国に?そんな筈ないーー悪魔と契約を交わした俺が天国に逝ける筈がない』





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